睡眠で痩せるという話を聞いたことはありますか?
結論から言うと、睡眠で痩せるというより「痩せやすい体づくり」ができます。
睡眠時に分泌されるホルモンにより筋肉が育てられたり、脂肪が燃焼したり、食欲のコントロールがうまくできたりということにつながるからです。
今回はボディメイクとも関係が深い睡眠の効果と質の高め方についてご紹介します。
寝る子は育つってよく言うもんね
睡眠の質を高める栄養素と合わせてご確認ください。
睡眠がもたらす効果
睡眠には、「脳や体の休養」「記憶の整理・固定」「免疫機能の増加」などほかにも多くの重要な役割があります。
睡眠中に分泌されるホルモンの働きによる効果が大きいです。
- 筋肉が作られる
- 痩せやすくなる
- 美肌効果
- 疲労回復
- ストレスの緩和
これらについて詳しく見ていきましょう。
筋肉が作られる
睡眠中に分泌される「成長ホルモン」は、美容や健康に大きく関わっており、脂肪の分解や筋肉を発達させる働きがあります。
成長ホルモンは眠りについてからおよそ3時間くらいの間に脳から大量に分泌されます。
この成長ホルモンによって、壊れた細胞の修復や疲労の回復が行われるのです。
日中の筋トレにより傷ついた筋肉は質の良い睡眠をとることでしっかり修復され、効率よく筋肉を発達させることができます。
痩せやすくなる
寝ているだけで消費されるカロリーはご存知ですか?実は十分な睡眠を取れば約300kcal消費するといわれています。これはランニング約40分に相当します。
さらに睡眠中に分泌される「成長ホルモン」には代謝の促進や脂肪の分解を促し、エネルギーとして使いやすくする働きがあります。
ほかにも睡眠中には食欲を抑えるホルモン「レプチン」も分泌されます。睡眠不足になるとレプチンの分泌量が減り、反対に「グレリン」という食欲増進ホルモンが増加します。
この「レプチン」と「グレリン」はどちらかが増えるともう片方は減ります。
- 「レプチン」=食欲抑制ホルモン、睡眠不足により減少する
- 「グレリン」=食欲増進ホルモン、睡眠不足により増加する
質の良い睡眠を取ることで脂肪燃焼効果があるだけでなく、日中の食欲も抑えられるということです。
美肌効果
「成長ホルモン」は肌のターンオーバーを活発化させる働きもあります。日中に浴びた紫外線や外気などのダメージを修復してくれます。
睡眠中にはもうひとつ美容に関わるホルモンが分泌されています。
睡眠ホルモンといわれている「メラトニン」です。
- 眠りを誘う(体内時計の調節)
- 抗酸化作用
- 細胞の新陳代謝促進
- 老化防止 など
よく寝ると肌が綺麗になると言われるのは、この二つのホルモンが寝ている時に働いてくれているからなんですね。
疲労回復
私たちは、起きている間の活動により肉体的・精神的に疲れが溜まっていきますが、睡眠中に分泌される成長ホルモンにより体の疲れが回復したり、傷んだ部分が補修されます。
深い睡眠が得られるほど成長ホルモンは多く分泌され、体内での代謝活動促進やストレスへの耐性が強まることで心身ともに疲労回復することができます。
ストレスの緩和
寝不足の時は、疲れやすいだけでなく些細なことでイライラしやすかったりストレスを感じやすいという経験はありませんか?
睡眠には脳を休ませ、自律神経を整える働きもあります。
逆に不眠はうつ病や不安障害の原因のひとつでもあり、脳の代謝を低下させ、ストレスと共に発生するコルチゾールの分泌に異常をきたします。
副腎皮質から分泌される生命を維持するのに欠かせないホルモン。
抗ストレス作用・糖新生・脂肪分解・抗炎症作用・免疫抑制作用といった重要な働きがある。しかし、過剰に分泌されると副腎が疲れて必要な時に必要なタイミングでの分泌ができなくなりストレスに対処できなくなってしまう。
しっかり眠ることで脳内の分泌物質を正常に戻し、ストレスやうつ症状を緩和・軽減することが期待できるのです。
ストレスにより発生するコルチゾールは体内に貯蔵されているエネルギー源を利用する働きがあるから、ストレスが多いと筋肉が分解されやすくなると言われているよ。
睡眠不足により起こること
睡眠不足になることで本来のパフォーマンスが発揮できなくなったり、回復できるはずの疲労が蓄積されていくことになります。
疲労がなかなか抜けないまま筋トレを行うことで怪我につながる危険性もあります。
睡眠時間の確保が難しい場合は、睡眠の「質」を高めて心身ともにしっかり回復させていきましょう。
睡眠の質をあげるには
食事や入浴は寝る2〜3時間前までに済ませる。ブルーライト機器は寝る2時間前以降は避けた方が良いことは皆さんもご存知かと思います。
また、寝具を自分の体に合ったものにすることも大切です。
今回は、上記以外で睡眠の質を高める方法を4つご紹介します。
睡眠環境を整える
なかなか寝付けないという人も居ると思います。その場合は、まず入眠しやすい環境づくりが大切です。
- 照明を暗くする
- 寝室の換気をする
- 室温を快適に保つ
- 寝る前のルーティーンを決める
といったことをするだけでも眠りにつきやすくなります。ひとつずつご紹介します。
室内が暗いほど、睡眠ホルモンのメラトニンが分泌されます。逆に明るいとメラトニンの分泌は減少するので、寝る1〜2時間前から部屋の明るさを落として眠りにつきやすい環境を作りましょう。
室内を閉め切っていると二酸化炭素濃度が上昇し、睡眠の質が低下します。しかし、就寝中に窓を開けておくことは防犯上や室温を保てないなどの理由から難しいところ。そこで、寝る10分前から換気をし新鮮な空気を取り込んでおくだけでも二酸化炭素濃度を下げることができ、睡眠の質向上につながります。
体温調節に伴って睡眠は変化するため、体温調節がスムーズにいくよう室温・湿度を設定する必要があります。快適に寝れる室温は26~28℃室温は50~60%と言われています。また、昔から頭寒足熱(ずかんそくねつ)と言われるように頭は冷やし、足元は冷やさないように気をつけましょう。
寝る前に読書をする、ストレッチをする、翌日の準備をする、など入眠のルーティーンを作るのもおすすめです。ルーティーンにすることで身体が「もうすぐ寝るのかな」と入眠の準備をするよう習慣づけることができます。
また、寝室には仕事を持ち込まないなど寝るだけの場所と脳に記憶させることも有効です。
特に照明や換気はすぐにでも実践できることですのでぜひ今日から試してみてください。
入眠をスムーズにする呼吸法
体をリラックスさせ休息の状態に導くのが「副交感神経」です。
そのため、睡眠の質を高めるには副交感神経を優位にする必要があるのですが、実は呼吸法で働きを高めることができます。
呼吸法にはいくつか種類がありますが、副交感神経を高めるには「腹式呼吸」がおすすめです。
「腹式呼吸」=息を吸う時にお腹を膨らまし、吐く時にお腹を凹ます呼吸法
- 楽な姿勢をとる
- 鼻から大きく息を吸う
- 吸う時より長めに口から息を吐ききる
- 2と3を繰り返す(どんどん呼吸を深くしていく)
適度な運動
適度な運動習慣は、生活リズムが整うため寝つきが良くなり、質の高い睡眠につながります。
しかし、遅い時間帯に激しい運動をすると体が興奮状態に陥って眠りが浅くなることも。眠る3時間前までには運動を終わらせるようにしましょう。
特に軽い全身運動(ウォーキングやジョギング)を夕方に取り入れることはおすすめです。
ある程度心拍数があがり、息が上がりきらない程度の有酸素運動は呼吸が深く活発になるため、心身ともに緊張を解きほぐし質の高い睡眠につながります。
強度の高い筋トレを寝る前に行うと交感神経が優位になり寝つきが悪くなるよ!筋トレは寝る3時間前までに終わらせよう!
寝る前のストレッチ
睡眠の質を高めるには、心身の緊張を解きほぐしリラックス状態をつくることが重要です。
筋肉を緩めるストレッチを就寝前に行うことでリラックスを促す副交感神経が優位になれば、寝つきが良くなります。
人間は体温が下がる時に眠くなります。手足から効率よく熱を逃すように手足の血行をよくするストレッチは特におすすめです。
一般的な開脚などのストレッチも気持ち良いと思える範囲で行うのはおすすめです。
ただ、どれも無理に動作したり、あまりに長時間行うことは避けましょう。
リラックスするはずが、交感神経を優位にし体が覚醒してしまう可能性があります。
深く深呼吸をしながらゆっくりと動作するように気をつけましょう。
まとめ
睡眠がもたらす効果と睡眠の質を高める方法をご紹介しました。
睡眠の質は、筋肉の成長や脂肪の燃焼・疲労回復などボディメイクにとって大切な役割を果たしていますが、日常生活や仕事で本来のパフォーマンスを発揮するためにもとても重要です。
ぜひ今回の内容を参考に、日々の睡眠の質を高めて健康的な体を手に入れましょう。
睡眠の質を高める栄養素についてはこちらをご確認ください。
コメント