健康のため、体型維持のため、美容のため、いろんな理由でボディメイクを始める方は増えています。
しかし情報が多い現代だからこそ、偏った知識や間違った解釈のままボディメイクをして体調を崩す方も・・・。
そこで、間違った方法で失敗しないための知識0から始められるボディメイクのやり方をご紹介します。
はじめに
ダイエットは「食事療法」という意味もあるように食事制限により体重を減らすこと。
ボディメイクは「食事管理」と「筋トレ」などの運動で必要なところに筋肉をつけ、ボディラインを整えていくこととして説明していきます。
ダイエットでもボディメイクでもなぜそれをするのか、理解したうえで行うのとなんとなくで行うのとで結果は変わってきます。
健康的に理想の身体を手にいれるためには、まず土台となる基礎知識が重要です。
最初から完璧に理解する必要はありません。
まずは知ることから始めましょう。
【基礎知識】筋肉のしくみ・脂肪のしくみ
どうしたらこの憎い脂肪は落ちるの?
まずはボディラインを整えるのに重要な役割の筋肉のしくみと、脂肪のしくみについて見ていこう!
筋肉は、身体を動かすために必要不可欠なものです。
ボディメイクだけでなく、健康的にいつまでも動ける身体でいるためには筋肉を維持したり大きくするための運動は欠かせません。
体脂肪とは体内に蓄積された脂肪のことで、
- 皮膚と筋肉の間に蓄えられた「皮下脂肪」
- お腹の内臓周辺に蓄えられた「内臓脂肪」
も含めた総称です。
憎まれがちな脂肪ですが、体の機能を正常に保つために必要なホルモンなどの物質を作り出すなど大切な働きをしてくれています。
筋肉も脂肪もどちらも体には欠かせない重要な役割を果たしているということです。
【基礎知識】ボディメイクにおける食事・栄養について
私たちの体は食べたものから作られており、食事の基本は三大栄養素「タンパク質」「脂質」「炭水化物」です。これらをバランスよく摂ることに加えビタミン・ミネラルも重要になります。
ビタミン・ミネラルは体内で糖質や脂質を分解し、代謝を助ける役割があります。食べ物から摂るのが難しければサプリメントを活用するのもありですが、あくまで栄養補助食品ですので基本は食事から摂るよう心がけましょう。
ボディメイクに大切なPFCバランスとは?
「痩せたい・細くなりたい」と思った時にまず一番最初に食事の量を減らそうと考える方が多いのではないでしょうか。
確かにボディメイクにおいて、食事8割・運動2割と言われることもあるほど食事を変えることは重要です。
しかし、重要なのは量よりも栄養素のバランスです。
筋トレやボディメイクをされている方は、「PFCバランス」という言葉を聞いたことがあるのではないでしょうか?
PFCとは、三大栄養素である【Protein】タンパク質【Fat】脂質【Carbohydrates】炭水化物のことです。
PFCバランスは女性で P=13〜20% F=約20〜30% C=50〜65% の割合が基準とされています。
どれかひとつの栄養素を摂りすぎたり、逆に制限しすぎることは体の働きを低下させる原因となります。
一時的には体重が落ちたとしても、リバウンドしたり基礎代謝が低下し太りやすく痩せにくい体になる可能性が高いです。
栄養素を上記の基準を参考としバランスよく摂取し、健康的なボディメイクを行いましょう。
体脂肪を1kg減らすには7200kcalの消費が必要
健康的に体脂肪を減らすための食事の基本を知り、自分で好きなものを選択できるようにしていきましょう。それが、一番ストレスなくボディメイクを続けられるコツです。
大前提として、摂取カロリー<=消費カロリーであれば太ることはありません。
そして、脂肪1kgを落とすには7200kcalのエネルギー消費が必要になります。
仮に1ヶ月で1kg落とすとしましょう。
単純に計算すれば【7200kcal÷30日=240kcal】となり、1日に240kcal消費すれば1kg痩せられるということです。(1日3食なら1食80kcal)
240kcalは食事だとお茶碗1杯分(約150g)、運動ならジョギング30分弱に相当します。
もちろん食事のみでカロリー調整するのではなく、運動を取り入れてエネルギーとして使うことがより健康的で効率の良いボディメイクと言えるでしょう。
栄養バランス無視したカロリー調整だと痩せても肌が荒れたりリバウンドしやすかったり体調崩す原因になるから注意しようね。
体脂肪を減らすには、高タンパク低脂質を意識しよう
それぞれの栄養素ごとのカロリーについても見ていきましょう。
- タンパク質1g=4kcal
- 脂質1g=9kcal
- 炭水化物1g=4kcal
ご覧のとおり脂質だけ1gあたりのカロリーは9kcalと高めですので摂り過ぎには注意が必要です。
ボディメイクは運動で筋肉をつけることで見た目が引き締まって見えるため、筋肉の材料となるタンパク質は積極的に摂る必要があります。
運動習慣のない女性でも1日に必要なタンパク質摂取量は57〜88gとされています。参考:厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2020年版)」
運動をするのであればそれ以上のタンパク質摂取量が必要になるということ。
とはいえ、過剰摂取する必要はありませんので、ご自身の体重×1.2〜1.5倍を目安にタンパク質を摂取するように意識しましょう。
タンパク質は満腹感を高めてくれるから食欲を減らす効果もあるみたいだよ!
だからしっかりタンパク質を摂ると無駄食いも防げるね。
摂るべき脂質もある
注意が必要なのは、質の良い脂は摂る必要があるということです。
脂質は細胞膜やホルモンの構成成分として重要な栄養というだけでなく、脂溶性ビタミンの吸収を助けるなどの働きもあるので、不足しすぎも良くありません。
女性は特にホルモンバランスが乱れることで生理不順になる可能性も。
脂肪が内臓を守ってくれたり保温の効果もあるため減らしすぎには注意。
脂質は総カロリーの20%は摂るように気をつけましょう。
なんか当たり前のことだけど実はよく分かっていなかった事ばかりだったよ
基本をしっかりおさえて普段の食生活に活かしていこうね!
【手順】女性のボディメイク何から始める?
これからボディメイクを始める方はもちろん、すでに実践している方も以下の5点ができているかチェックしてみてください。より効率的に理想の体型を目指していきましょう。
①目標を明確にする
夏までに何kg落としたいという目標を設定する人は多いと思います。
確かに体重は分かりやすい指標ですが、実際はその日の食べたもの・活動量・はたまた体調によっても体重は前後します。
あくまで目安程度と思っておくと日々の体重の変化に一喜一憂し、ストレスが溜まり暴食なんてことも防げます。
数値設定の前に具体的になぜそうなりたいのか、どういう体型を目指したいのか細かく書き出してみましょう。
どんな体型になりたいのか目的・目標はいくらでも書き出してみてね!
これがボディメイクの軸になるから、軸がしっかりしていると失敗しにくくなるよ!
②現状を把握する
数字はあくまで目安とはいえ、指標になるものがなくては続けられません。
まずは現在の自分の体重や普段食べているもの、運動習慣などを把握しましょう。
体重に捉われないようにするために全身の写真も撮っておこう!
比較しやすいからモチベーションも保ちやすくなるよ!
分かりやすく数字で把握したいという方は、体重以外にもウエストや腕周り、太もも、お尻なども計測しておくと良いでしょう。
毎日の食事・飲み物は漏れなく書き出すことで不足している栄養素や偏った食事になっていないか見直すことができます。
ノートに書き出しても良いですし、スマホのメモでもかまいません。
面倒な方は、今はいくらでも食事記録のできるアプリがありますのでそちらを活用しても良いでしょう。
また、運動習慣がない方は筋トレをする時間の確保が必要になってきます。
1日の行動を書き出してみて無理のない範囲で時間の確保を行いましょう。
視覚化し、現状を認識することが大切です。
③計画を立てる
目標を明確にし、現状の把握ができたら、どのように理想の体型に近づけていくのか具体的なやり方を決めていきます。
まず脂肪を落としたい場合、1ヶ月で落としていい体重は現在の体重の5%までとされています。
急激な体重減少は体が生命の危機を感じ元に戻そうとするためリバウンドしやすくなりますし体調を崩します。
特に高肥満症でなければ女性は1ヶ月で3%までの減少に留めた方がホルモンバランスも崩れず健康的にボディメイクを進められるでしょう。
基本的にやる事は筋トレ+食事管理であることは変わりません。
現状を書き出したことで、目標の体型にするために不足していることは何なのかを把握し、やるべきことを計画していきましょう。
筋トレはいきなり部位別に分けずにまずは全身を動かし、フォームの確認と筋肉を呼び覚ますところから始めましょう。
そのため、週に何日行う・やる気が出ない日や時間がない日はストレッチだけでもやる、など運動習慣をつけることを最優先した計画の立て方がおすすめです。
カロリー計算もアプリでの管理も面倒だという方は、大体のお米の量・タンパク質の量だけ決めてしまいましょう。
野菜、きのこ、海藻などをバランスよく摂るのに具沢山のお味噌汁はおすすめです。魚は良質な脂が摂れますので苦手でなければ積極的に摂りましょう。
ちなみにお肉の量によってタンパク質量が変わるのはもちろんなんだけど脂身の少ないお肉なら大体のものが100gで約20gほどのタンパク質が摂取できるよ!
④実践・記録する
計画を立てることができたならあとは実践あるのみです。
この時、仮に自分が立てた計画通りにいかなくてもあまり気にしないことです。最初から完璧な計画が立てられるわけはありませんので、何度でも計画は立て直してOKです。
実践することができたら日々、記録をとっておきましょう。
体重・食事内容・運動内容など、すべて記録しておきましょう。メモするのが面倒なら、写真でも良いです。
全身写真は撮っておくと体重に変化がなくても見た目がスッキリしてきたな、と体重では気付けない変化にも気づくことができるので確実に残しておくのをおすすめします。
⑤習慣化・見直し
筋トレはジムでも自宅でもどちらでも良いですが、続けることが一番の課題となってきます。
最初のうちは体を慣れさせるために週に2〜3日全身運動をするところから始めましょう。
自重や軽い負荷でフォームを覚え、負荷が足りなくなってきたら徐々に日数を増やしたり部位ごとに分割したトレーニングに変えていきましょう。
始めは1週間継続できたら無理のない計画になっているか振り返りましょう。目標が明確になってさえいれば軸がぶれることはありませんので、計画は何度でも立て直して大丈夫です。
また、問題なければその後も1週間ごとに振り返り、できなかった部分を翌週で調整する。これをひたすら繰り返し習慣化することで健康的に理想のボディラインを手にいれることが可能です。
【筋トレ】ボディメイクに筋トレは必要
ボディメイクは健康的に美しいボディラインを作るもの。ですから、食事管理とあわせて筋トレを行うことが大切だということは分かってもらえたと思います。
まずは、簡単に「速筋繊維」と「遅筋繊維」のおさらいです。
速筋繊維 ー 太くてパワーがある(パワーリフティングなど)、大きな負荷で短時間で鍛える
遅筋繊維 ー 細くて持久力がある(マラソンなど)、小さな負荷で長時間かけ鍛える
目的別筋トレ方法
より効率的にボディメイクをすすめるための適切な回数・負荷の設定方法を目的別にご紹介しておきます。
それぞれの筋繊維の特性を活かしたトレーニングを行うことが、目的に合ったトレーニングと言えるでしょう。
こちらの表を参考にし、それぞれの回数でこれ以上はできないとなる重さでしっかり追い込んでいくことがポイントです。
- パワーリフターであれば筋力向上が目的のため、1〜4回がぎりぎりあがる重量
- 筋肉量を増やしたい方は10〜12回がぎりぎりあがる重量
- マラソン選手や筋肉を大きくはしたくない方は18回以上の高回数ができる重量
軽い重量だとしても余力を残さず限界まで行える人は成長が早いよ!
ボディメイクのための筋トレ
目的によって回数や重量の設定が変わることが分かったと思います。
「お尻や背中はしっかり鍛えて今より筋肉をつけたい。」「脚は細く引き締めたい」など、目的に合わせて筋トレを組み合わせていきましょう。
以下、気になる部位ごとのおすすめの筋トレをまとめております。
いきなり1日1部位ごとに分けて筋トレするのではなく、始めは全身をまんべんなく動かすことが大切ですのでいろいろ組み合わせて実践してみてください。
筋トレはたくさんの種類がありますが、スクワットや腕立て伏せ、懸垂などの基本的で大きな筋肉を使うトレーニングから始めましょう。
各部位の筋肉を使う・意識することができるようになってから部位別で分けていくというように段階を踏むことが大切です。
大きい筋肉を鍛えるメリットと、大きい筋肉の代表例については以下になります。
【筋トレ】筋トレのオフはなぜ必要?適切な筋トレ頻度とは
「筋肉が成長するメカニズム」でもお話しした通り、筋肉は破壊→休息→修復を繰り返すことで強くなります。
栄養を摂って休息させることで筋肉は成長するため、適切なオフは必要不可欠です。
筋肉は回復するまでに48〜72時間かかる
一般的に筋肉は48〜72時間かけて回復すると言われています。毎日負荷の高い筋トレを続けると疲労は溜まる一方で筋肉の修復の時間が無くなることに。
筋肉の部位や強度によってもちろん回復速度は変わりますが、無理に連続して行うのは逆に筋肉の成長を妨げる可能性も。
しっかりトレーニングで追い込んだら、必要な栄養を摂り体を休ませてあげましょう。
ケガのリスクが高まる
適切なオフは、筋肉を再生させるためだけでなくケガのリスクを減らすためにも必要です。
毎日高い負荷の筋トレを続けてしまうと、筋繊維が修復される過程のところにまた負荷をかけるため当然力も出しにくくなります。
筋肉痛はいわば炎症が起こっている状態なので、痛みがある部位をかばいフォームが崩れやすくなったり関節への負担が大きくなり、ケガに繋がることも。
前回と同じ負荷でトレーニングできないほどの痛みがある時はいさぎよくオフにし、回復に専念しましょう。
適切な筋トレの頻度は人それぞれ
運動を始めたばかりの方であれば、まずは週2〜3回がおすすめ。
慣れてきて負荷も足りないようであれば、週3〜4、上級者なら4〜5回が目安となります。
上記で説明したとおり、傷ついた筋肉は48〜72時間(2〜3日)かけて回復します。筋肉が修復され強くなったタイミングでまた筋トレをすることで成長していきます。
そのため、筋トレは同じ部位でなければ毎日でもトレーニングは可能です。中・上級者は体の部位ごとに分けて筋トレをするため、週4〜5回行う方が多いです。
しかし初心者のうちは全身運動がメインとなるので筋肉の回復の時間を考慮すると週2〜3回がおすすめとなるわけです。
筋トレのオフの取り方(スケジュール例)
筋肉の回復に時間がかかることは分かったけど、その時の痛みの感覚でオフを決めてたらサボってしまいそう・・・
ボディメイクはとにかく継続が大切だからね。頻度別でおすすめのオフの取り方の例を紹介するから参考にしながら自分にあったサイクルを見つけてみてね!
同じ部位を連続して行う日がないようにスケジュールを立てましょう。
トレーニング→栄養補給→休養の定期的なサイクルにより効率的に筋肉を成長させることができるので、週に何日筋トレができるのかによって筋トレの内容や負荷も変えていきましょう。
【筋トレ】オフの過ごし方
オフ=「完全に何もしない日」ではせっかくの筋トレ効果も実感しにくい可能性が。
せっかくの筋トレの効果を最大限に引き出すためにもオフをどう過ごすべきか簡単にご紹介しておきます。
【まとめ】まずはできる事から始めよう
せっかくボディメイクを始めるのであれば、健康的に長く続けていくことが一番です。
目新しいダイエット方法などに惑わされることのないようご自身で必要な情報の取捨選択ができるように基礎知識はしっかり覚えておいてください。
ボディメイクの手順は以下のとおりです。
ボディメイクは、食事と筋トレが重要です。
いわば「長く続けられる健康的な習慣づくり」をすることとなりますので、いきなり全部やろうとせず自分が「これならできる」と思えることから始めてください。
自分の体と向き合い、健康的に理想のボディを手に入れましょう。