筋トレをする人やフィットネスの大会に出ている人が和菓子を好んで食べている姿がSNSでよく見られるため、「筋トレに和菓子は良い」というイメージを持っている方も多いです。
脂質が低いという点は良いのですが、和菓子だからといって砂糖が多いため太らないわけではないのでそこは理解しておきましょう。
また、筋肉に和菓子が良いというわけではないことも先にお伝えしておきます。
ではなぜ「筋トレには和菓子」と言われているのか、その理由(勘違いされていること含め)と食べるタイミング・おすすめの和菓子についてご紹介します。
筋トレには和菓子が良いと言われる理由
和菓子は基本的に脂質が低く、満足感が得られるものが多いため筋トレする人やダイエットには適していると言われています。
しかし、「筋肉に良い」と勘違いしている人も中にはいて、これはアスリートが使う「マルチトランスポーター法」を勘違いしていると思われます。
脂質が低い
和菓子は洋菓子に比べると油を使わない分、全体的に脂質が低いです。
水ようかんであれば脂質0.1g〜0.2gで、大福は0.5g、どらやきでも大体3〜5gと大体1食の脂質が5g以内におさまります。
また、和菓子の原材料として多く使われる小豆や寒天は食物繊維が豊富な点もダイエット向きといえます。
和菓子のあんこが重いと感じ食べすぎる方は少ないですが、和菓子は脂質は低くとも糖質が多いので食べ過ぎには注意しましょう。
満足感が高い
和菓子に使われる小豆や寒天などは食物繊維が豊富なこともあり、一つ食べただけで満足感が得やすいです。
反対に洋菓子は食物繊維が少ないために満足感を得にくく食べ過ぎることも。また脂質が多いため、和菓子と同じ分量を食べたとしてもカロリーが高くなりがちです。
和菓子の中でも、もち米を使った大福などは原材料がシンプルかつ食物繊維が摂れて、エネルギーになりやすい糖質なため適量なら筋トレにもダイエットにも向いているといえます。
マルチトランスポーター法を勘違いされている
グリコーゲン回復速度を早めるとして「マルチトランスポーター法」というものがあります。
グルコース:フルクトース=2:1の比率で摂取するとグリコーゲン回復速度を高める
これはマラソン選手やアスリートのような長時間激しく動く方には有効な方法ではありますが、ボディメイク目的で筋トレのような瞬発的な運動に対して有効だという根拠は現状ありません。
和菓子に多く含まれる砂糖はブドウ糖と果糖でできており、果糖は筋肉のエネルギー源としては非効率なものです。
ブドウ糖は筋グリコーゲン回復に有効ですが、和菓子から必要量取ろうと思ったらカロリーオーバーにつながります。
そのため、筋トレ前に和菓子を食べることが筋肉にとって特に有用とはいえません。
筋肉のためという理由で食べるならブドウ糖やマルトデキストリンという糖質のドリンクがおすすめです。
トレーニング中の集中力やエネルギー切れを防ぐために、糖質+ペプチドやEAAを摂るのがおすすめ!
和菓子を食べる際の注意点
和菓子は1つで満足感も高くおいしいためおやつとして最適ですが、食べる際の注意点も確認しておきましょう。
和菓子は太らないわけではない
どの食べ物でも同じですが、食べ過ぎれば太ります。
これはダイエット食品でも同様です。
しかし、「ダイエットにおすすめ」や「筋トレに良い」などと話題になると「太りにくい食べ物」として認識されてしまうことも。
和菓子は前述したとおり、脂質が低く食物繊維も摂れますが、砂糖が多く使われています。
結局はカロリー過多になってしまえば太りますので、食べすぎないよう気をつけましょう。
WHO(世界保健機関)は1日の砂糖摂取量の目安を1日に摂る総エネルギー量の5%未満に抑えるべきだというガイドラインを出しています。(成人で1日およそ25g)
筋グリコーゲン補充には砂糖よりブドウ糖
筋肉のために筋トレ前に砂糖たっぷりの和菓子を食べるという方もたまにいますが、筋グリコーゲン補充目的ならブドウ糖やマルトデキストリンを摂取する方が効率が良いです。
(砂糖はブドウ糖と果糖でできており、果糖は筋肉のエネルギー源としては非効率。)
食事で摂取した糖質は、肝臓と筋肉にグリコーゲンとして蓄えられ、それぞれ必要時に使われています。
お米やパン・麺といった穀類などの炭水化物にブドウ糖は多く含まれおり、これらは消化が必要なため筋トレの2〜3時間前までに摂取できると良いでしょう。
和菓子を食べるタイミング
減量中やボディメイク中だとせっかく和菓子を食べるなら、より良いタイミングで食べたいと思うことでしょう。
1日1個くらいであれば正直そこまで気にする必要はないですが、あえておすすめのタイミングをあげるとすればトレーニング後や忙しい日の間食です。
トレーニングや激しいスポーツの後
トレーニング中にエネルギー切れを起こさないためにトレ前に和菓子を食べることもありますが、固形物なので直前に食べるのは消化不良を引き起こす可能性もあります。
また空腹状態で砂糖たっぷりの和菓子を食べてしまうと、血糖値の影響で眠気やだるさが起こり筋トレに支障がでることも。
それよりもトレーニング直後の方が筋グリコーゲンにはなりにくくとも肝グリコーゲンにはなるため和菓子を摂るタイミングとしては有用といえます。
しかしグリコーゲンの貯蔵量には限界があり、余分な分はもちろん脂肪として蓄えられていきますのでトレ後ならどれだけ食べても良いというわけではないことをお忘れなく。
もちろんトレ後はタンパク質の補給も忘れずに。
1日中動く時や忙しい時の間食
忙しいときは脳も体もエネルギー不足になり、疲労や眠気として現れます。
空腹状態でいきなり甘いものを摂ると余計に眠気やだるさを誘発してしまうので避けたいですが、食後や昼食から夕食までの間の時間なら和菓子を食べるのに適しています。
和菓子は手軽にコンビニでも買えて、脂質は低く腹持ちの良いものが多いため忙しい時の間食として摂っておくと良いでしょう。
とはいえ、どうせなら美味しく食べることが大事ですので、間食として和菓子を摂るのにあまりタイミングにこだわりすぎて逆にストレスにならないようにしましょう。
おすすめの和菓子
最近はコンビニでも和菓子が買えるようになり、生クリームなどが入っている洋風なものも増えています。
もちろんそういったものは脂質が増えるため、シンプルな昔ながらの和菓子の方が栄養成分的にはおすすめです。
おはぎ
おはぎは、もち米やうるち米に小豆と砂糖、塩、きなこやごまなどのシンプルな材料で作られています。
生ものなので消費期限が短いですが、最近は冷凍でも販売されています。
白砂糖の摂取量が気になる方は、白砂糖不使用で冷凍もできるおはぎがおすすめです。↓
ようかん
ようかんは小豆あん、砂糖、寒天が主な原料です。
スーパーやコンビニで個包装タイプも販売されており、常温保存可能なため持ち運びに便利です。
スポーツ時には通常のようかんとは違いマルトデキストリンが配合されたスポーツようかんもおすすめ。↓
大福
大福はもち米やもち粉、小豆が主な原料です。
最近では、生クリーム大福などの洋風なものが増えており、その場合は脂質もカロリーも高くなるため注意。
豆大福に使われる赤えんどう豆は食物繊維や鉄分も含んでおり、食べ応えもあるので減量中にぴったりです。
本わらび餅
山菜のわらびの根から採れるデンプンを使って作られている「本わらび餅」が減量中にはおすすめです。
スーパーなどで手に入る安価なわらび餅は原材料に本わらび粉ではなく「加工デンプン」が使われていることが多いです。
本わらび粉で作ったものには不溶性・水溶性両方の食物繊維が含まれているため、腸内環境を整えることに役立ちます。
発酵あんこ
発酵あんこは砂糖を使わずに、小豆と米麹を発酵させて作るやさしい甘さのあんこです。
砂糖の摂取が気になる方は、発酵あんこを寒天や赤えんどう豆と合わせてあんみつにしたり、パンケーキではさんでどら焼きを自作するとかなりカロリーが抑えられます。
栄養価も高く、腸内環境の気になる方にもおすすめです。
発酵あんこを自宅で作れるセットも。
まとめ|和菓子は適量ならおやつに最適
和菓子はひとつで満足できるものが多く、腹持ちも良いため食べ過ぎにさえ注意すればおやつにぴったりです。
スナック菓子や洋菓子と違って脂質が少ない分、食事で足りないカロリーを和菓子摂るというふうにバルクアップに活用する人も多くいます。
和菓子や甘いものが好きという人は無理に我慢するよりも、筋トレの励みとしてうまく取り入れていきましょう。
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